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回収にあたっての注意点

限られた方法しか許されていない債権者に対し、債務者の応戦方法は実に無限に存在することから、そもそも債権者は債権回収上不利な立場に立たされていると言えます。
その不利な状況を覆すため、気づかずに違法と評価される行為に及んでしまうおそれがあり、注意が必要です。

万が一違法な債権回収を行ってしまえば、債務者から逆に損害賠償請求権を行使され、かつその請求権との相殺が主張されて自身の債権が行使できなくなるおそれがあるばかりでなく、あなたが逮捕されてしまうおそれもあります。

以下では、相談された事例や一般に想定される、債権回収が違法と評価され得る例を紹介しています。

(1)違法な情報収集への注意

債権回収を優位に進めるためは、債務者の情報をできる限り多く正確に入手する必要があります。
もっとも、これを追求するあまり、情報収集手段が違法にわたらないよう注意が必要です。

債務者の自宅を訪問した際に家の中をよく見るために敷地内に立ち入った。
債務者宛の郵便から資産状態を把握するためにポストからこれを取出して開封した。
名簿業者や探偵業者等から違法な手段でしか入手できないことが想像される個人情報を入手した。
関係者に身分を偽って連絡し、債務者の情報を得た。

(2)違法な回収手法への注意

優先順位を上げることが債権回収の重要なポイントであることは既に再三ご説明したとおりですが、あくまで適法・妥当な手段を選択する必要があります。
ご相談に見えられた方の一部には、次のような回収手法を現に実践し、または弊所に実践してほしいとおっしゃる方がいますが、違法と評価されるおそれがありますので、弊所では注意喚起し、またはお断りするようにしています。

債権の成立ないしは存続に合理的な疑問があるのに断定的に請求する。
直接の当事者ではない債務者の親族や関係者に請求する(含む、合理的な理由もないのにそれらの者に連絡する。)。
債務者の自宅や勤務先などを頻繁に訪問する。
債務者の違法行為や支払を行っていない事実を殊更に第三者(会社や親族等)に告げることを示唆する。
債務者の連絡先に頻繁に連絡する。
弁護士が債務者の代理人に就任しているのに弁護士を飛び越えて連絡する。
刑事上の罪に該当するおそれが低いのに刑事上の罪にあたる行為であると断定的に述べて請求する。
被害届や刑事告訴等の予定が一切ないのにこれらを行うことを明示する。

※1 なお、被害届や刑事告訴等は、債権回収においても重要な回収手法のひとつであると考えますが、債務者の行為が罪にあたるべき行為で、あなたがその行為によって損害を受け、かつ、あなたに被害届や刑事告訴等を行う正当な権利があったとしても、恐喝罪等の犯罪が成立する場合があることにご注意ください。

すなわち、恐喝罪は、相手方に対して「害悪」を告知して相手方を怖がらせて財物を交付させたり、財産上の利益を得る罪であり(刑法第249条)、ここで言う「害悪」の告知は、害悪の内容が違法であることに限定されていません。
したがって、刑事告訴権を持っている人がこれを種に脅したり(大判T8.7.9)、犯罪事実を知っている人が捜査機関にそのことを通告することを種に脅したりした事例(最判S29.4.6)でも恐喝罪が認められます。

また、債権者が権利を行使することについても、あくまでその行使された権利が本来の権利の範囲内であり、かつ、その方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を超えない範囲でのみ適法とされるものであり、その範囲・程度を逸脱したときには違法と評価され、恐喝罪にあたると判断されています(最判S30.10.14)

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